夜の闇・プラトニック異釈1

ノベライズされるんですね。
筆力のある方がお引き受け下さるといいなあ。
出来ればシナリオそのものが読みたいですが。

一週間が経ちますが、自分の中では物語はまだ変貌を遂げているように感じます。
「観たまま」は変わらないけれど、そこに図と地の模様を見続けて、
ああでもないこうでもないと。
以下、そんな中で自分が感じたことを書いています。
たぶん物凄くマイナーな読み方だと思います。


沙良さんという女性。
ドラマ内でもしばしば「可憐で残酷」「少女」「0か100か」と形容されますが
ちょっと素手で闇を掴んでるようなところがある人。

2話では、どうにも嫌な夫を陥れる罠を仕掛け、
4話では、娘の治療に不可欠な、天才的な医師を引き留めるための媚態
そして5話最後では、青年の前でもブラウスを脱ぐという大胆な行動が披露されます。
この最後の行為の意味は、実はよくわからないままにストーリーが流れて行きますが…。

日常では美しい聖母のようにも(店長)、決して手の届かない、いい女(元夫)のように
思われながら、常識では考えられない行動を軽々と取り続ける女。

その本質は青年と恋に落ちても変わらず、
6話では恋に落ちた相手の過去に嫉妬し、その思い出さえ取り上げます。

沙良の行動は常識で解そうと思うと破綻を来たす。
少女の「お作法」という言葉であらわされているように、それが彼女の生き方。
夜の帳が永遠に降りている地図の上で生きている女ではないかしら。

そしてその夜の地図に、偶然入りこみ、数か月を旅したのが青年だった。

闇といっても何か黒々とした悪意ではないのです。
親の離婚、弟の世話などの幸薄い生い立ちもあり特に夢も希望もなかったと描かれていましたが
明けない、原初、夜のままという意味にて。
そして原初はとても力強い。ひた向きでパワフル。

「あなたの声が聞こえたの」は3話のEDあたりを指してるのかな・・・
「想いが募るだって何が悪い。抑えつければ、マグマのように中で煮えたぎるだけだ。やがて、心が崩壊してしまう」青年の怒りに静かにかぶさるナレーション

・・・なぜなら彼は、それでもまだ信じているようだったから。求めているようだったから。本当の愛を・・・

青年と出会い恋をして、
沙良ははじめて相手の感情、そして自分の感情をリアルに感じて、そこに恋の苦しみを感じます。
その時永遠の夜が溶け、地図のあたり一帯がみかん色の夕日に包まれる…ような。

(一旦切ります)