プラトニック (最終話)

な…ん。

滑り出しは
「そんなに面白い顔してる?」から
コンビニでのお姉さまとかボクちゃんとか、前回に引き続きデレ甘もあったのになー。

そして衝撃の。
大体にしていつもラスト十分で、こっちの心拍数上げて来るドラマなんですけど、
今回、それはまさに最後の最後、突然に起こったので。

青年の愛の定義は、どんなにその愛を否定されても、沙良から離婚届を渡されてさえ
見ていてこっちが口の中辛くなるほどなのに揺れない。
事件に遭遇した時、青年は咄嗟に夢から醒めないで愛に生きる方法を選択した。
本当に瞬時に判断して、あの一郭に強盗を誘い、
格闘して、刃先を無我夢中で腹部に誘導した(ように見えた)。

どちらかというと落ち着いた、冷静な青年の振る舞いに慣れていたので、
このあたりの強盗との揉み合い、(心臓をかばい)腹部への誘導が
…決死だった。

「醒めたくない夢は、ある」
夢がある、だったら、相対的な一つの夢、なのが
夢は、ある、だから、ただ一つの絶対的な夢、の形容に変わっていて
この表現一つで、青年の確信と、その世界が現実に崩され行くことへの、
激しい焦燥が尽くされているように感じます。

私は、僕は、俺も・・・辿って来た物語が一気に甦り、

あれだけ思慮深く大人で出会った人にめいめい、人生に必要な香水を手渡して、
深いところで了解している青年なのに、
その青年の様々あったはずの人生の最期なのに
防犯カメラのモニターに映る姿は愛に生きる、いたいけな無垢の化身でしかない。

さら、笑って、って言ってるようにも見えるし

さら、あいしてる、と微笑みを湛えているようにも見える。

もう青年はいないのに、その微笑みのエコーが永遠に響いているようです。
沙良さんの心にも、きっと私たちにも。

もう暫く、きっと胸に痛い。

Honestyが胸に痛い。